読売新聞5月11日
「できるだけ多くの人が利用可能な製品、建物、空間をデザインすること」がユニバーサルデザインの定義。

障害のある人を含め、だれにでも使いやすく、生活を楽しめる優しいデザインと言える。最近、病院におけるユニバーサルデザインが注目されている。

くつろげる空間として内装や看護師のユニホームにも工夫をこらす病院が増えてきた。

これまであまり注意の払われなかった入院患者のファッションも登場してきた。

大阪市の開業医支援会社「メディサイト」マネージャーの松村敦子さんは、パジャマの下が透けて見えるのを防ぐため、胸元に小さなポケットをつけ、ウエストをひもで調節できるベストを開発した。

患者支援のボランティア団体のアンケート調査で、入院患者の多くが日常生活を営む上で欠かせないパジャマに対して不満を抱いていたことが、開発のきっかけとなったのだ。

抗がん治療などによる抜け毛を隠すバンダナ型のケア帽子も製品化された。これまでスキー帽をかぶっていた女性から喜ばれているという。

いずれも実用新案を採っており、患者だけでなく、一般の人でも使える。

母親が入院していた時の経験を生かし、「暗くなりがちな病院生活に話題を提供し、明るくしたかった。」と松村さんは語る。 病院でも我々の生活の一部であるからこそ、入院生活をしていてもファッションを楽しむ心は大事にしたいと強く思う。